健康はすべて自己責任の時代に
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中国では文化大革命以後、
鄧小平の「ネズミをとる猫がいい猫だ」ということで市場経済をうけいれ、
多くの国営企業（現在では国有企業といわれています）が
資本主義的な企業形態を採用してきました。
それまでは、国のお金で医療も専門の病院で受けられ、
年金も恩給もつくなど、国営企業の社員は労働組合に入っている限り、
ゆりかごから墓場まで保証されていました。
しかし主義主義が導入されてくると、そのように、
国営企業に入っていれば一生安全、というわけにはいかなくなるわけです。
そうなると、その人たちの社会保障や医療が打ち切られ、
すべて自分で支払わなければなりません。
アメリカと中国というのは、医療に巨額の費用がかかるのです。
いったん病気になると、破産を覚悟しなければならない。
アメリカで歯を一本抜くと、ものすごい額の請求書がきます。
そうなってくると、病院で近代医療をうけられなくなるため、
「なんとか教」にいってしまうわけです。
その人たちは、自分で健康を保とう、自分で養生しようと、
早朝から公園で太極拳をやっている。
あれを見て「みんな健康的でいいな」と思うかもしれませんが、
じつは社会保障を打ち切られた人たちが、自衛のためにやっているのです。
もちろん、趣味でやっている人もたくさんいるでしょうが、
大きな組合や国有企業がもう面倒をみてくれないため、
自分で自分の健康を守る必要があります。
市場原理とはそういうものです。
自分のことは自分でしろという、自己責任。
病院の選択も、自分の健康を守ることも、すべて自己責任。
あなたまかせでは健康は保てない、
自衛するしかないという時代がやってきたのです。
なるだけ医者に頼らず生きるために
私が実践している100の習慣・・・五木寛之 (著)より
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